防災・災害対策について

水の備蓄は何リットル必要?家庭人数別計算方法

水の備蓄は何リットル必要?家庭人数別計算方法

目次

まえおき

家庭の水備蓄は、「人数×日数×3L+20%」で算出。季節・活動・医療で補正し、2L×6本の箱で在庫管理。容器と配置、節水mL運用、年輪在庫で“使える備え”に。在宅/避難の配分、給水所戦術、家族構成別の追加量、浴槽160〜180Lの生活水、3か所分散と安全棚帯70〜120cmも解説。目次付きで実践しやすい。

必要総量(L)=人数P×日数D×基準R+予備20%。標準の基準はR=3L/人・日(飲用1.5+調理0.5+衛生1.0)。例:4人×7日=84L、+20%で約100L(2L×50本=6本入×8箱+α)。

たとえ:2L=大きいペットボトル1本、500mL=小さい1本、10L=バケツ半分

なぜ「1人1日3L」なのか(背景と数字)

  • 飲用:1.0〜1.5L(夏・発熱・作業で+0.5〜1.0L)
  • 食・薬:0.5L(アルファ米160〜180mL、スープ160〜200mLなど)
  • 衛生:1.0L(歯磨き50mL、手洗い霧吹き10mL×10回=100mL ほか)

飲用は市販水、トイレや掃除は生活用水(浴槽)に分けるのがコツ。

基本式と安全係数

標準計算

P×D×3Lで最小必要量を算出。最後に予備20%を上乗せ。

持ち出し枠

500mL×4本/人(枕元・通勤鞄・車・持出袋)を別管理。

季節・活動・医療の補正

  • 夏(6〜9月):+1.0L/人・日
  • 重作業日:+0.5L/人・日
  • 授乳:+0.7L/日、発熱/下痢:+1.0L/日、高齢者:+0.3L/日
  • 乳児(粉ミルク):+0.7〜1.0L/日(液体ミルク運用は+0L)

:4人×7日×3L=84L+夏(28L)+作業2日(4L)=116L。+20%で約140L(2L×70本)。

人数別×日数の早見表

人数

3日

7日

14日

1人

9L

21L

42L

2人

18L

42L

84L

3人

27L

63L

126L

4人

36L

84L

168L

5人

45L

105L

210L

※ 夏は上表に+(人数×日数×1L)、重作業日は+0.5L/人・日、最後に+20%

在宅/避難の“使い道配分”(mL実例)

在宅(断水のみ)

飲用1.4L+食0.4L+薬0.2L+衛生0.4L=2.4L(残り0.6Lをバッファ)。

避難(持ち運び)

飲用1.5L+食0.3L+薬0.1L+衛生0.1L=2.0L電解質500mL

たとえ:電解質=汗で減った塩の“おつり”。戻さないと足がつる。

容器の最適解と組み合わせ

  • 2Lペット:主力。6本入=12Lを“箱”で管理。
  • 500mL:持出・枕元・通勤鞄・車。1人×4本
  • 長期保存水(5年級):在庫の“年輪”を作る土台。
  • 給水タンク(10〜20L):配給用は蛇口コック+キャリーで。
  • 折りたたみバッグ水:隙間保管&容器不足の保険。

家の中の配置戦略(分散×高さ×温度)

  • 分散:キッチン中段/寝室/玄関/屋外ボックス/車の3〜5か所
  • 高さ:地震=床から70〜120cm(安全棚帯)、水害=床上30cm+2階へ。
  • 温度:直射・高温NG。北側収納などへ。

驚きの配置:階段踊り場に500mL×各人2の“キャッシュ水”/玄関外側フックに500mLを常設。

スペースと重量の現実

4人×7日=84L → 2L×42本=7箱。1箱の目安はW27×D32×H32cm。床面積約0.35㎡を2段積みでOK。重量は84kg→分散必須

生活用水は別枠(浴槽160〜180L)

停電・断水前に浴槽8割(160〜180L)を確保し、トイレ流し・掃除へ。飲用転用はせず、乳幼児の転落防止にフタ+柵。

節水テク10選(mLで説明)

  1. 歯磨き50mL
  2. 手洗い霧吹き10mL×10回=100mL
  3. 顔拭き100mL
  4. 紙皿+ラップで洗い物0mL
  5. アルファ米160〜180mL
  6. 魚缶汁をスープ化(+100〜150mL節水)
  7. 掃除200mLの順路拭き
  8. トイレ大10L/回
  9. 含みうがい20mL×2
  10. ポリ袋押し洗い500mL

家族構成別の追加量

  • 乳児(液体ミルク):+0L(使い捨てライナー活用)/粉ミルク:+0.7〜1.0L/日
  • 妊婦・授乳:+0.7L/日/高齢者:+0.3L/日(100mL×10回)
  • ペット:犬50mL/kg/日、猫40mL/kg/日 ×7日+20%

住まい別(高層/戸建/ワンルーム)

高層マンション

エレベーター停止を想定し、小分け(5kg未満)で階段搬送。踊り場“中継台”活用。

木造戸建

水害に備え、2階への高所分散(2L×12〜24本)。

ワンルーム

2L×6本=12Lをベッド下とキッチン中段に分割。職場に500mL×2を“キャッシュ”。

給水所戦術(時間とタンク運用)

往復20分+行列30分=50分/回。20Lは20kgで片手10分限界→10L×2+カートで負担半減。大人2名で40L/日回収可。

ローテーション管理(年輪在庫法)

  • 5年保存水を毎年1箱更新して“5層”化。
  • 月1棚卸し15分:左を飲む→右に買う。レシート写真を箱に保存。
  • 季節色ラベル(春=緑/夏=黄/秋=橙/冬=青)で可視化。

安全・品質の優先順位

  1. 加熱:沸騰後1分(高地3分)
  2. 浄水器:0.1µm相当(ウイルスは薬剤併用)
  3. 薬剤:飲用水用のみ。香り付き漂白剤は不可

たとえ:水の安全は三段ロケット。第1段の“沸騰”が最強。

よくある誤解Q&A

  • 水は2L/日で足りる?→ 衛生が破綻しやすい。3L/人・日が現実解。
  • カップ麺が節水?→ 熱湯300〜400mL/食+燃料が重い。米+スープの方が水効率◎。
  • 炭酸水・お茶でOK?→ 可。ただし乳幼児・服薬は無糖の軟水が無難。

実践ドリル30分

  1. 00:00–03:00 出発ドリル:玄関に集合、500mL×各人2を携行。
  2. 03:00–10:00 配分会議:飲用1.5L/人調理・衛生1.5L/人をボトルに割当。
  3. 10:00–20:00 衛生実習:霧吹き10mL×10回で手洗い20秒、歯磨き50mL
  4. 20:00–30:00 棚卸し:箱にレシート写真、左在庫を前へ。

まとめ

P×D×3L+20%で基準量を決め、季節・活動・医療・家族構成で補正。2L/500mL/長期保存水/タンクを賢く組み合わせ、3〜5か所分散年輪在庫法で“常に使える水”へ。

  • 必要量=人数×日数×3L+20%。夏や作業日は+0.5〜1L/人・日
  • 2L×6本=12Lを箱単位で数え、4人×7日=8箱+500mL分散が現実解。
  • 在宅は運用が命:浴槽=生活水/市販水=飲用、月1棚卸しで鮮度維持。
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