防災・災害対策について

子どもと一緒に学べる防災教育アイデア

災害の多い日本で、子どもに本当に必要なのは知識の丸暗記ではなく、自分とまわりを守る行動スキルです。本特集は「たのしく・くり返し・家族で」を合言葉に、①習慣化 ②体験化 ③遊び化 ④家族化 ⑤地域化の5原則で設計。家庭・学校・地域でそのまま使える台本と教材アイデアをまとめました。

イントロ:防災を“科目”から“生活のスキル”へ

5つの設計原則

  • 習慣化:小さく続けて定着させる(枕元セット、月1ミッション)
  • 体験化:体を動かす訓練(しゃがむ・かくれる・まつ)
  • 遊び化:ゲームや工作で楽しく学ぶ
  • 家族化:役割分担と連絡ルールを紙で共有
  • 地域化:近所の人・学校・町会とつなが

年齢別ロードマップ(目安)

幼児(3–6歳)

  • 3つの約束:「あたまをまもる」「おとなのそば」「あんぜんカード」
  • ごっこ遊び:机の下にもぐる→10秒カウント→「よし」で整列
  • 触って学ぶ:懐中電灯・笛・非常用ブランケットを体験

小学校低学年(6–8歳)

  • 家の安全さがし:倒れそうな家具に「キケン」シール
  • 避難合図ゲーム:拍手1回=しゃがむ/2回=かくれる/3回=まつ
  • ミニ工作:ペットボトルランタン(LED+アルミ反射)

中学年(9–10歳)

  • ハザードマップ宝さがし:自宅→学校→公園ルートを色分け
  • 防災クッキング:火を使わないツナマヨ丼
  • 通信ドリル:家族連絡カード作成、171の体験(音声体験)

高学年(11–12歳)

  • 家族の役割:防災キャプテン/連絡係/補給係
  • 科学実験:ろ過の仕組み(学習用・飲用不可)
  • 避難所ルールづくり:ゾーニング・静粛時間・衛生

中高生(13–18歳)

  • プロジェクト学習:学校・自治体の訓練を企画提案
  • メディア・リテラシー:一次情報の確認と拡散ルール
  • ボランティア入門:物資仕分け・要配慮者支援の見学

家庭で回す「4週間ミニ・カリキュラム」

Week1:わが家の安全を知る

  • 家の「危険さがし」マップ作り(家具・ガラス・通路)
  • 枕元セット(スリッパ・ライト・ホイッスル)全員分
  • 15分の夜間ミニ訓練:暗闇でトイレ往復

Week2:連絡と集合のルール化

  • 家族連絡カード作成(一次・二次集合場所、合言葉)
  • 家族チャットの緊急テンプレ、171の使い方を掲示
  • 自宅・学校・職場の「避難三角形」地図を冷蔵庫に

Week3:食と衛生、暮らしの工夫

  • ローリングストック棚卸し(水・缶詰・レトルト)
  • お皿にラップ実験(洗い物削減)、ごみ分別の確認
  • 携帯トイレの実物確認(仕組み理解)

Week4:まちとつながる

  • 近所の一次避難場所まで実歩(雨天で“悪条件”体験)
  • 町会・学校の訓練日をカレンダー登録、子ども役割を申し出
  • 学びのふり返り:できた3つ/次にやる1つを掲示

学校・学童・PTA向け:90分ワークショップ設計図

目的と構成

目的:自ら判断し、仲間と助け合える初動スキルを身につける。

  1. 導入10分:身近な災害クイズ(○×カード)
  2. 体験30分:「しゃがむ・かくれる・まつ」動作→机上落下物シミュレーション
  3. 地図30分:学校〜自宅の安全ルート設計(危険×/安全◎/代替→)
  4. 共有20分:班発表→良い点にシール投票
  5. ふり返り10分:「今日の約束カード」に家庭タスクを記入

評価方法

  • 「5分で出発」「集合場所を言える」など行動目標の達成チェック

ゲーム&アクティビティ18選(抜粋)

STEAMで学ぶ:科学×ものづくり

  • LEDライト工作(導通・極性)
  • ろ過の仕組み観察(学習用・飲用不可)
  • 気象観察ノート(毎日3分、台風期の変化)
  • 簡易地震計模型(紙コップ+糸+ペン)
  • タイマーで防災チェックを通知する簡易プログラム

多様性に配慮する設計

  • 発達特性:視覚手順書、予測できるタイムテーブル、休憩コーナー
  • 低年齢:手順を2〜3に分割、即時フィードバック
  • 多言語:ピクトグラム&二言語カード、家庭内の通訳役を決定
  • 身体特性:階段回避ルート、補助具チェックリスト
  • 感覚過敏:耳栓・サングラス・フード付き衣類を避難キットに

防災クッキング(火を使わない3品)

  • ツナコーンクリーム丼:ツナ+コーン+粉チーズ+マヨ→レトルトご飯
  • 和風混ぜご飯:サバ水煮+めんつゆ+乾燥わかめ
  • フルーツヨーグルト:缶詰+ヨーグルト(常温可)+クラッカー

※アレルギー表記を確認。衛生に留意し、試食は少量から。

15分・30分の“おうち避難訓練”台本

15分(平日夜)

  1. 合図(手拍子3回)→机下に集合
  2. ライトを持ち、靴を履く→玄関に整列
  3. 一次集合場所を声に出して確認→ふり返り

30分(休日昼)

  1. 停電想定でブレーカーOFF(安全確認の上)
  2. 家族連絡カードでメッセージ作成→合言葉を復唱
  3. 近所の避難路1本を歩行→帰宅後チェック記入

ふり返りと評価:やる気を持続させる仕掛け

  • バッジ制度(地図名人/電池博士/衛生チャンピオン)
  • 学習ログ:できた○・次の約束△を1分で記録
  • 見える化:冷蔵庫に「今月のミッション」シール表
  • 発表会:月末に家族ミニ発表(1人1分)

安全上の注意(大人向けメモ)

  • 応急手当・CPRは講習で正規手順を習得
  • 浄水・火の扱いは大人が管理(学習目的・飲用不可)
  • 夜間歩行や訓練は近隣へ配慮、私有地立入禁止を順守
  • 連絡カードの個人情報は撮影・公開しない

成果チェック(子どもと一緒に)

  • 一次・二次集合場所を口頭で言える
  • 家族連絡カードを自分で取り出せる
  • 枕元にライト・スリッパ・笛を置けている
  • 学校→自宅の安全ルートを1本説明できる
  • ローリングストックを1品入れ替えた
  • 避難所のマナーを3つ挙げられる
  • 一次情報と二次情報の違いを説明できる
  • 要配慮者への配慮アイデアを1つ言える
  • 月1のミッション表に記入できた
  • 家族訓練を2回以上実施した

付録アイデア(必要なら作成します)

  • 家族連絡カード(合言葉・集合場所・緊急連絡)
  • 危険さがしシール台紙/避難路白地図(自宅中心1km)
  • おうち訓練台本(15/30/60分)
  • バッジ台紙&ミッション表

まとめ:小さく、楽しく、くり返す

防災教育は「年に一度の行事」では定着しません。小さく始めて、楽しく、くり返す今日の一歩は、家族連絡カードを作る、枕元セットを揃える、家の危険シールを貼る――どれでもOK。子どもが主体的に動けることが、最大の備えです。

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